ブラック企業に勤めるSEはなぜ辞めないのか。
かく言う私もブラック企業でSEとして働いていたので、経験を基に過酷な現場でなぜ働き続けるのかを語ります。
また、ブラック企業の抜け出し方も書きたいと思います。
私が働いていたブラック企業
私が働いていた会社は、毎日終電、月の作業時間は350時間、残業は全て付けられない、土日出勤は当たり前、年収は500万円に満たない企業でした。
新卒から入社した企業だったので、世間のIT企業はどこも同じ様だと思っていましたが、考えると井の中の蛙ですね。
詳細は以下の記事をご覧ください。
ブラック企業にいると洗脳されてしまう
ブラック企業での働き方が当たり前になると、以下の様なとんだ勘違いをしてしまいます。
- 夜遅くまで仕事をしている人は頑張っている人
- 定時で帰る人は仕事をしていない
- 頑張り続ければいつか報われる日がくる
- 転職する人は仲間ではない。裏切り者
- 鬱になった人は根性が足りない
完全に過去の自分と被りますが、今まさに同じ考えだと思う人はいませんか?
周囲の環境は本当に大事で、周りが遅くまで働いてるとそれが当たり前となり自分の中で模範に変わっていきます。完全に洗脳されてます。
洗脳される割には自信がない
たまにブラック企業時代の先輩からご飯に誘われて行きますが、会話の内容はいつもこんな感じです。
最近仕事どうですか?やっぱ忙しいんですか?
最近、週2ぐらいは家に帰れなくてホテル。〇〇さん(ブラック上司)から無茶な案件掛け持ちとかやらされてるよ。
(同情はしない)自分はフリーランスになってから、月200時間働いたことないですね。いつまでいるんですか?そんな忙しいと身体壊しますよ。転職した方がいいですって。
そろそろ転職も考えてるんだけどね〜。
転職は早めに動いた方がいいですよ。
でも俺が抜けるとチーム崩壊するし。
一人抜けたぐらいでリカバリできなくてチーム崩壊するって、組織として成り立ってないですって。
転職も考えてるけど、一区切りついたらかな〜。
(一区切りって、何年もずっと忙しいじゃん。この人絶対辞める気ないな…。)
厳しいことを言ってしまいますが、彼は今の立場にうぬぼれています。
おそらく自分では間違ってると気付いていても、自分の中で過酷な状況を正当化し、今の立場を守りたいだけです。
愚痴はたくさん言うけど、転職する勇気もなく行動を起こさない人って、側から見ると本当に情け無いと思ってしまいます。
こっちは「あんたのこと考えてアドバイスしてんだぞ!」と言いたいのに…。
ブラック企業を抜け出したきっかけ
私の場合は、仲の良い同僚の転職がきっかけでした。
彼が転職活動を始めたことは聞いていましたが、私とSE経験は同じ同僚が大手企業数社から合格をもらっていたことに衝撃を受けました。
自分も転職出来るのではないかと考え始め、すぐにエージェントに登録しました。
私の場合は、転職エージェントとフリーランスエージェントの両方を利用し、するすると合格をもらえたので、不安が自信に変わっていきました。
ブラック企業を抜け出す方法
結論を書くと、ブラック企業を辞めるには早き動き出すことが重要です。
私は転職しようと考え始めてから、すぐにエージェント登録した事が良かったのだと、今でも思っています。
そして周りの意見を求めないでください。考えてください、周りの人間はブラック企業に洗脳されたソルジャー達です。
相談するなら転職した人にしましょう。転職後にどう変わったかを聞くことが出来ますし、もしかしたらその人づてで転職先が見つかるかもしれません。
また、退職する際は色々気をつけなければいけない事があります。
以下の記事に、円満退社や次の転職先を教えないなどのポイントを書いたのでご覧ください。
ブラック企業を退社した感想
私の場合は、自分のやりたい事とプライベートを充実させるために、フリーランスエンジニアの道を選びましたが、転職でも何でもブラック企業を抜ける事が一番重要だと思います。
年収はブラック企業SE時代の3倍になり、業務時間は半分になりました。時給にすると6倍ですね(笑)
また、ブラック企業を抜け出したことで世間を知ることが出来たことも重要な点で、フリーランスエージェントに相談することで市場での自分の価値を測れたことは有益でした。
SEとしての市場価値、働き方など当たり前と思っていたことが、世間では当たり前ではない事だと思えることができました。
ブラック企業を見抜く方法
以下のような特徴がある企業はブラックな確率が高いです。
求人ページや面接などでも、隠しきれない点がたくさん存在します。
モデル年収が高い
求人ページのモデル年収に「29歳エンジニア 年収700万円」などと書いてあるケースです。
これはモデル年収ではなく、その会社で一番給料が高い人か、人を集めるための偽年収でしょう。
私が在籍していたブラック企業の求人ページを見てみると、私が辞めた時の年齢のモデル年収が650万円でした。
私が辞めた時の年収は480万円で、500万円に到達している同期なんていませんでした。
求人ページで社員が仲良くイベントに参加している
バーベキューやボーリングなどしている写真がありがちですが、会社の良い部分だけを見せている可能性大です。
転職したい人が求めているものは、その会社の特徴や自分のやりたい事が出来そうか、そして年収であるはずです。
楽しそうなイベントは仕事時間の割合の1%にも満たないですし、学生のサークルではないので、少しの良いとこアピールなど無意味です。
未経験者を積極的に歓迎している
未経験者はブラック企業であっても、IT企業は過酷な環境が普通だと思ってしまいます。
未経験者を作業者として集め、すぐ現場に放り込むパターンです。
採用基準が低いという事は、任される仕事のレベルも低く賃金も低いという事です。
面接が圧迫面接
過酷な勤務を耐えられるか、応募者の忍耐力を測る常套手段です。
特に役員面接や社長面接などにありがちで、自分は偉いと考えているのでしょう。
耐えた先で合格して入社しても、ずっと耐えなければいけない未来が待っています。
面接官が上から目線
良い人を採用したいなら、良い対応をして良い会社だと思わせたいはず。
ですが、何を勘違いしてるのか上から目線で「採用してやってもいいよ」感が溢れ出る面接官もいます。
こんな会社は入っても対応は同じで、社員を大切にしていません。
私の体験談
私は面接で以下のようなことを聞かれた事がありました。
面接官「徹夜は何日までしたことがありますか?」
私「最高で3日ぐらいです。」
面接官「短いですね。うちのSEならもっといける人たくさんいますよ。」
もはや何のための質問なのか、単なる自慢なのかわかりません。
この企業から合格をもらいましたがお断りし、断った理由についても上記の質問をされた旨を書いてエージェントに伝えました(笑)
最後に
ブラック企業のSEとして働いた自分の経験と反省を基に、ブラック企業を辞めない人の思考を分析しました。
現在ブラック企業にいる方も、これから転職する方にも当記事を読んで頂けたら幸いです。
一度しかない人生なので、仕事はほどほどに楽しみましょう!