2020年10月8日のAMDイベントにて発表されたCPUは、デスクトップ用のRyzen 5000シリーズで、Zen3アーキテクチャをベースにした新しいAMDのプロセッサとなり、日本での発売日は2020年11月6日19時からとなっています。
Zen2の登場から徐々にCPUのシェアを大きく伸ばし、Intelを打ち負かす勢いです。
AMDがシェアを伸ばしてきたことが投資家の目にも留まり、最近ではインテルの株価は下がり、AMDの株価は順調に上昇しています(ザイリンクスの買収で少し下がりましたが)。
私も今回発売されるRyzen5000シリーズを購入予定なので、趣味も兼ねてRyzen5000シリーズについて性能をまとめてみました。
Ryzen 5000 シリーズ CPU Passmark まとめ
Ryzen 5000のCPU性能の比較をするために、Zen3プロセッサ(Ryzen 5000シリーズ)と前世代 Zen2(Ryzen 3000シリーズ)のCPU Markを比較としてまとめてみました。
Zen3世代は青、Zen2世代は緑で色分けしています。参考としてIntelの最上位モデルであるIntel Core i9-10900K を赤で示してあります。
Passmark値については、以下のサイトのCPU Mark値を取得しました。
世代 | CPU | コア数 | スレッド数 | 電力 | CPU PassMark |
Zen3 | AMD Ryzen 9 5950X | 16 | 32 | 105W | 45564 |
Zen3 | AMD Ryzen 9 5900X | 12 | 24 | 105W | 40742 |
Zen3 | AMD Ryzen 7 5800X | 8 | 16 | 105W | 27949 |
第10世代 | Intel Core i9-10900K | 10 | 20 | 125W | 24265 |
Zen3 | AMD Ryzen 5 5600X | 6 | 12 | 65W | 22160 |
Zen2 | AMD Ryzen 9 3950X | 16 | 32 | 105W | 39279 |
Zen2 | AMD Ryzen 9 3900X | 12 | 24 | 105W | 32866 |
Zen2 | AMD Ryzen 7 3800X | 8 | 16 | 105W | 23351 |
Zen2 | AMD Ryzen 7 3700X | 8 | 16 | 65W | 22815 |
Zen2 | AMD Ryzen 5 3600X | 6 | 12 | 95W | 18325 |
AMDが発表したZen3の性能指標として、IPC(1クロックあたりの処理の命令数)は19%アップとありましたが、当ベンチマークで最上位のZen3 5950XとZen2 3950Xを比較すると、Passmark値で16%向上となっていますので、明らかな性能向上が確認できます。
またIntelの最上位モデルであるCore i9-10900Kを参考の比較として記載していますが、電力消費が高い割には性能がすごく高いわけでもないのでコスパとしては良くないですね。このPassmark一覧を見る限りCPU選択はAMD一択になるのではないでしょうか。
新機能 AMD SMART ACCESS MEMORY
Ryzen 5000シリーズの新機能としての「AMD SMART ACCESS MEMORY」機能は、CPUとGPU間のデータ転送性能を向上させることでゲーミング・パフォーマンスが向上されます。
ただし「AMD SMART ACCESS MEMORY」は、Radeon RX 6000グラフィックボードとRyzen 5000のCPUを合わせて使用した場合にのみ機能します。
AMDのGPUとCPUを使うことでゲーム用に最適化し、性能としては5%~10%向上すると発表がありました。
そのため、Radeon RX 6000 グラフィックボードを使用する場合は、Ryzen 5000CPUがゲーミング用PCとしては一択になると思います。
まとめ
リークしているベンチマークからも分かる通り、AMD Zen3は元々得意だったマルチスレッド性能に加えてシングルスレッド性能が大きく向上したので、ゲーム性能でIntelからリードすることが予想できます。
マザーボードのソケットも従来のAM4、500シリーズと互換性があり、消費電力もZen2と同じでワットパフォーマンスも高く、売れる予感しかしません。
AMDはプロセッサアーキテクチャの再考や7nmを早く手に入れたことにより、ゲーミングの世界でもついにIntelを打ち負かすことができるかもしれません。
インテルの次世代CPU「Rocket Lake」の発売日は2021年の第一四半期と発表されており、それまであと5ヶ月もあるので今回のRyzen 5000シリーズがその間にさらにインテルからCPUシェアを奪っていくでしょう。「Rocket Lake」は製造プロセスが14nmか10nmと噂されているので、7nmで製造されるZen3よりも性能が劣った場合、インテルはかなり価格を下げなければ市場では下火になると思います。
Zen2からのAMDを見ていると、インテル一強だったデスクトップ市場でAMDがAthlon64時代のような地位をこれから獲得できると予想しています。
今回はZen3として4製品が発売されますが、今後も多くのCPUが市場に投入されると思うので楽しみです。